ポスト・フクシマの政治学
政治学の入門書として使える本だ。
副題名にもある通り、新しい実践の政治学をめざしてということで政治学の入門書としてだけでなく、僕たち一般市民が3.11以降の政治にどう関わっていくべきかという道も提示してくれている。入門書として優れている点としてはそれぞれの章ごとにより理解を深めるための文献として3冊ずつ紹介されていることが挙げられる。興味を持った分野をさらに深く理解するために、その本を手に取っていけば政治学についての理解も深めていけるだろうと思う。
この本のテーマは、ポスト・フクシマつまりは東北での原発事故以後の政治である。そのため政治学の入門書としては恐らく珍しいスローライフに焦点を当てた章がこの本のまとめ的な役割も担っている。
トランプがアメリカ大統領になってしまったように世界でポピュリズムが蔓延してきている。国民の感情を煽るポピュリズムにより今後の世界情勢はどうなっていくのか。本書では熟議の必要性を説いている。世界中が経済に行き詰りつつある今、経済成長の夢を追い続けていくことが本当に国民を幸福にするのか。僕たち自身がもっと政治の在り方を考えなければいけないのかもしれない。
ポスト・フクシマの政治学: 新しい実践の政治学をめざして (法律文化社ベーシック・ブックス)
- 作者: 畑山敏夫,平井一臣
- 出版社/メーカー: 法律文化社
- 発売日: 2014/04/18
- メディア: 単行本
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